ナキハクチョウ

ナキハクチョウ

<概要>
 ハクチョウを含めたカモ科の中では最大種でアメリカ北西部、カナダ西部に繁殖し、アメリカ太平洋岸、大西洋岸で越冬するが、日本には稀に迷鳥として確認される程度で、2005年(平成22年)10月24日以降、11月まで北海道帯広市の帯広川で羽根を休めた。これは国内では1934年、空知管内月形町で発見されて以来実に72年ぶりに確認され、国内でも4例目であり話題となった。

<生態>
 鳴き声がラッパのように低いが鋭く響くので、英名でトランぺッタースワンの名がついている。1970年調査では世界で僅かに4000羽となっている希少種でもある。
 河川、湖沼、湿原、内湾などに生息。渡りは行うが長距離の渡りは行わない。食性は多のハクチョウと同様に植物食で水草の根、種子などを食する。見るからに精悍な顔つきで気性は荒い印象を受けるが実際は分からない。
 カナダ・オンタリオ州にはもともとナキハクチョウが生息していたが、狩猟、また幼鳥のショットガンの玉の誤飲による鉛中毒などによって個体数は激減し、オンタリオ州から姿を消してしまった。1982年にトロント動物園がナキハクチョウの再生プロジェクトを始め、現在では250羽以上のナキハクチョウが南オンタリオに生息している。そのためトロント近郊でみられるほとんどのナキハクチョウには個体識別用のタグがついている。
 
<声>
 「ブォーッ、ブォーッ」

<見分方法>
 見た目は、アメリカコハクチョウと似ているが、体の大きさが違いナキハクチョウの方が一回り大きい。