オオハクチョウ

オオハクチョウ

<概要>
 くちばしの付け根の黄色い部分が先の黒い部分より大きい。北海道で越冬するのはほとんんどがオオハクチョウである。
 長い首を伸ばして飛ぶ大型のハクチョウ。ユーラシア大陸の亜寒帯で広く繁殖し、日本へは冬鳥として渡来する。主に北日本や日本海側の地方で越冬し、北海道・尾岱沼、青森県・大湊湾、宮城県伊豆沼、新潟県瓢湖などがオオハクチョウの越冬地として名高い。
 近年、他のガン類もそうであるが、年々、個体数が増加しており、観光を目的とした給餌も各地で行われている。アイヌ語ではレタッチリ・カムイといいい「白い鳥の神」という。青森県、島根県では県の鳥に指定されている。

<生態>
 越冬地では、湖や沼、大きな川、河口、内湾などで生活している。番(つがい)と前の繁殖期に孵化した1~6羽の幼鳥と親鳥からなる家族群が行動の単位で、それらの集団が数十羽から数百羽の群れを作って集団で生息する。
 内湾では、アマモ、湖ではアシ、ガマなどの水生植物の茎や根を主な餌とし、長い首を水中に突っ込んだり、更には上半身を水中に入れて逆立ちをしながら採食をする。
 給餌では、昔は茶がら、現在ではパンくず、トウモロコシ、麦類、などの穀物がまかれているが、これについては北海道厚岸湾などで自然採食に対する弊害などが確認されており、必ずしも採食活動が評価される時代ではなくなってきている。繁殖地では、水辺の地上や浅瀬に枯れ草などで大きな巣を作り、5~6個の卵を産む。

<声>
 「コォー、コォー」とやさしく鳴いてから、互いに首を上下させ、賑やかに「コホー、コホー」と鳴き交わす。オスとメス、家族同士も「コーコーコー」と鳴き交わす。

<見分方法>
 コハクチョウより身体が大きく、くちばしの黄色部分が大きいので直ぐ分かる。