アメリカコハクチョウ
<概要>
コハクチョウの亜種に属する。身体は、コハクチョウより少々大きいが見た目は殆ど変わらない。くちばしの黄色い部分がほとんどなく大部分が黒いのが特徴で、コハクチョウの一亜種とする他のハクチョウ同様に群れで生息するが、日本では通常、数羽 程度しか確認されない希少種である。
北海道新ひだか町静内・静内川をベースに平成元年より平成11年までの11年間、北海道日高支庁管内の浦河町、様似町などで越冬した。
国内渡来地では、岩手県北上市・北上川流域の大堤、福島県東村・阿武隈川にまとまった数が飛来する。
<生態>
越冬地での生態は、湖や沼、大きな川、河口、内湾などで生活し、コハクチョウとよく似ている。家族群を単位とした群れで生活し、水草を主な餌としている。水面から飛び立つ時は、水面を蹴るように10数メートル助走し空へと舞い上がる。
休息する時は、長い首を背面に折り曲げ、頭を背中の中に入れていることが多い。警戒すると首をいっぱい伸ばし、辺りの様子をうかがうのは、マガンなどと同様である。
繁殖地では、湖の浅瀬や水辺の地上に、枯れ草や藻類で火山のような円錐形の大きな巣を作り、3~5個の卵を産む。抱卵日数は29~30日程度である。
<声>
オオハクチョウより似ている声ではあるが、「コホツ、コホッ」と短めに鳴くことが多くオオハクチョウほど、うるさく鳴かない。飛翔中は「コォー、コォー」という声を出す。
<見分方法>
コハクチョウより身体が小さく、くちばしの黄色部分がほとんどない。