コハクチョウ
<概要>
くちばしの黄色い部分がやや小さくオオハクチョウに似たハクチョウ。青森県小川原湖、福島県猪苗代湖、滋賀県琵琶湖、鳥取県中海などが主な渡来地であるが、主に本州の中部より南の地域に多く、オオハクチョウとは住み分けができている。これは、コハクチョウの方が身体が小さく、体温の維持に相対的に多くのエネルギーがいることによると考えられている。
ユーラシアと北米大陸の寒帯でオオハクチョウよりは北の地域で広く繁殖し、日本には冬鳥として渡来、オオハクチョウと同様に冬鳥の代名詞。くちばしの殆どが黒いアメリカコハクチョウも稀には記録される。オオハクチョウ同様にこのハクチョウも年々、越冬数が増加傾向にある。青森県では県の鳥として指定されている。
<生態>
越冬地での生態は、湖や沼、大きな川、河口、内湾などで生活し、オオハクチョウとよく似ている。家族群を単位としたれで生活し、水草を主な餌としている。水面から飛び立つ時は、水面を蹴るように10数メートル助走し空へと舞い上がる。
休息する時は、長い首を背面に折り曲げ、頭を背中の中に入れていることが多い。警戒すると首をいっぱい伸ばし、辺りの様子をうかがうのは、マガンなどと同様である。
繁殖地では、湖の浅瀬や水辺の地上に、枯れ草や藻類で火山のような円錐形の大きな巣を作り、3~5個の卵を産む。抱卵日数は29~30日程度である。
<声>
オオハクチョウより似ている声ではあるが、「コホツ、コホッ」と短めに鳴くことが多くオオハクチョウほど、うるさく鳴かない。飛翔中は「コォー、コォー」という声を出す。
<見分方法>
コハクチョウより身体が小さく、くちばしの黄色部分がオオハクチョウより小さい。しかし、このくちばしの形状パターンが色々あるので、個体の識別にも使うこともある。